在宅ワークが増えて、スマホやパソコンの時間が長くなっていませんか?そうなると「頭痛」「首の痛み」に困っている方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方への解消法をお伝えします。
頭と首の理想的な姿勢と慢性的な頭部前方位姿勢
頭と首の理想的な姿勢は、以下のように(上側の図)姿勢を保持する為に首の前方と後方がバランスよく張っている状態です。綱引きで両側の力が拮抗している状態とも言えます。これに対して何らかの原因で、慢性的に頭が前にでている姿勢が下側の図です。これを慢性的な頭部前方位姿勢と呼びます。この状態は「頭痛」や「首の痛み」を引き起こしやすくなります。
頭部前方位姿勢の原因
上記のような頭が前方に突出した姿勢を頭部前方位姿勢と呼びますが、原因は大きく2つあります。
1つは、事故などによる「むち打ち症」によって、黄色矢印の胸鎖乳突筋や前斜角筋などが損傷される場合です。むち打ちによって、首が急激に伸展(あごがあがり頭が後ろに行く状態)する事で前面についている筋肉が緊張状態になります。すると頭部が前方に引っ張られて、上記のような頭部前方位姿勢になります。わかりやすいポイントとしては、胸鎖乳突筋が理想的な姿勢よりも、鎖骨の直上位置まで前方へ移動する事です。
2つ目は、いくつかの首の前面の筋肉が徐々に短縮していく事です。冒頭でお話ししたような、パソコンやスマホの影響です。前面で扱う対象物に合わせて視線を良くしようとして、頭を突き出す場合です。皆さんよく見かけるシーンかと思います。この姿勢を長時間保持すれば、筋肉の長さを短くしてしまい、頭部前方位姿勢が「自然な状態」に変わる事になります。
そしてこのような頭部前方位姿勢が続くと、時間経過とともに後方の筋が引き延ばされて、首の痛みや頭痛や頭皮の放散痛と関連します。
では、このような状態を解消するにはどうすれば良いか。次の章でお話ししていきましょう。
頭部前方位姿勢の改善方法
頭部前方位姿勢で首の痛みや頭痛で悩まれている方は、以下の2つの方法をお勧めします。
1つは、作業環境の改善です。机やパソコンなどの環境を変える事です。スマホを見る時は、うつむいて見るのではなく、顔の正面に保ち「首や頭が前にでない状態」を作ります。長時間動画を見る方は、スマホスタンドや台を置いて工夫する事も重要です。パソコンの姿勢も同様です。詳細は、以下の記事で詳しく書いていますので参考にして頂ければ幸いです。
2つ目は、以下の首のエクササイズを行う事です。先に上げた原因で、首の前面の筋肉が短縮すると相対的に後面の筋肉が弱くなる事が多いです。弱くなった筋肉を強化する具体的なエクササイズは大きく分けて、首の上部と下部のエクササイズがあります。
まずは上部のエクササイズです。以下のように、あごを上に上げる方法です。ゆっくりと行います。5回を2~3セット行うのがおススメです。※痛みやしびれがある場合は中止してください。
次は首の下部のエクササイズです。今度はあごを引いて、頭の後ろを押し付けます。3秒を5セット位行うのがおススメです。※息を止めないように注意しましょう。
上記2つのエクササイズは、座った姿勢でもできますが、肩の力を抜いて姿勢を調整したいので寝て行うのが良いでしょう。頭部前方位姿勢が自然な姿勢になっている方は、最初、首の後ろが硬い感じがありますが、何度も行っていると楽にエクササイズできるようになります。スマホやパソコンを長時間行った後はしっかり行いましょう!
おわりに
今回は、スマホやパソコンで首の痛みや頭痛のある方への解消法をお話ししました。知らない間に、「頭部前方位姿勢」となる事で首や頭痛を誘発している可能性があります。普段から自分の姿勢に興味を持ち、調整する事が重要です。参考にして頂ければ幸いです。ではまた!
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